いざギターの弦を交換しようとしたとき、楽器屋さんに行くとたくさんの種類の弦が並んでいて、どれがいいのかわからなくないでしょうか⁉
ここではどのように弦を選べばいいのか、そしてどんな弦がオススメなのか紹介していきますので、最後までお付き合いください。
今回はアコースティックギター編です。
弦の種類
アコースティックギターの弦には主に2種類の素材とそれらのコーティング弦に分けられます。
ブロンズ弦
ブロンズ材を使った弦のことです。
ここでいうブロンズ材とは80/20Bronzeという材料で、銅とスズが8対2の割合で合成されています。
弦のパッケージに「Bronze」または「80/20Bronze」と書いてあるので、探す際にはパッケージを見てみてくださいね。
音は落ち着いた、一般的なアコギの音です。
一般的な音なので、自分のアコギの音がどんな感じかというのが良くわかる弦でもあります。
この素材は弾き語りをする人、初心者で初めて弦を買う人はこの素材の弦を買うことをオススメします。
フォスファーブロンズ弦
こちらは銅とスズの他に少量のリンが含まれています。
弦のパッケージには「Phosphor Bronze」と書かれています。
ブロンズよりもサビにくいと一般的には言われていますが、筆者の感覚だとさほど変わらないなと感じます。
音はブロンズ弦よりもキラキラした感じです。
ソロギターや指引きがメインの人はこちらの方がいいかもしれません。
とはいえ、今世の中の人気はフォスファーのようです。
響きが明るく、いろんなジャンルの音楽にマッチしやすいからですね。
コーティング弦
ブロンズ弦もしくはフォスファーブロンズ弦の表面にコーティングが施してあり、通常の弦に比べるとサビにくい特徴があります。
通常の弦の寿命が1か月から2か月弱であるのに対し、コーティング弦は5か月から6か月もちます。
使い方によっては半年以上なんてことも…
コーティング弦は普通の弦の倍くらいの値段なのですが、寿命が長いので交換頻度が低くなるということから逆にコスパがいいという人もいます。
頻繁に弦を変えたくない人にはもってこいだし、このような特徴から練習用のギターや、普段あまり弾かないギターに最適です。
ただし、コーティングは弾いているうちに剥がれてくるので、普段からがんがん弾いている人は交換頻度が上がります。
サウンドはコーティングされている分、すこし抑えめで柔らかい響きがします。
ワンポイントアドバイス
初心者ならブロンズ弦とあえて書かせていただきました。
というのも、自分のギターの音ってどんな感じかというのを十分に知ってほしいんですよ。
ブロンズ弦に慣れてきたらフォスファーブロンズを使ってみると良いです。
そうすると、どっちが自分の好みがわかってきますし、同じギターでも違いが出せることがわかります。
また、メーカーによっても音は変わります。
後述する定番メーカーに慣れたら他の弦のメーカーに変えてみても面白いと思います。
コーティング弦にするのは、いろいろ試してそのあとでもよいと筆者は考えます。
弦の太さ(ゲージ)
弦には太さがあります。
細ければ音も細くなりますし、太くなれば音の主張も強くなります。
また、弦の太さは押さえやすさにも影響します。
細い方が押さえやすくなります。
一般的な太さのものをここでは紹介していきます。
ただし、メーカーによっては存在しないゲージがありますし、同じゲージでも、それぞれの弦の太さが若干異なることがあるので、目安にしてくださいね。
エクストラライトゲージ
一般的にはアコギの弦の中では一番細いです。
細くて柔らかいので押さえやすいことから、初心者や女性にオススメです。
音も細く繊細です。
大げさに言えば弱々しいのですが、そこまでの違和感はないと感じます。
カスタムライトゲージ
エクストラライトゲージとライトゲージの中間に位置する太さです。
押さえやすさを確保しつつ、ライトゲージに近い音をだすことができます。
エクストラライトゲージに慣れた人であればぜひ使用してみると良いです。
ライトゲージ
標準的なアコギの弦の太さになります。
アコギを最初に買うと、ライトゲージがだいたい張られています。
なので、弦を変えずにアコギを練習していると、この弦の太さに慣れてきます。
この弦でうまく音を出せないな、と感じたらエクストラライトゲージなどの細い弦にしてみましょう。
細い弦に慣れたらライトゲージに戻ってくるのもアリです!
ミディアムゲージ
ライトゲージよりも弦のテンションが強くなります。
ゲージが太めになると迫力のある音がでますので、ピッキングの強い人に適します。
その代わり、押さえるのにより力が必要になります。
先ほど言いましたとおり、テンションが強いので、ネックにかかる力も強くなります。
張りっぱなしにしておくとネックが反りやすくなるので、弾かないときは緩めるなどの手間が必要になります。
ヘビーゲージ
このゲージは太く、迫力のある音がだせます。
しかし、ギターにかかる負荷は相当なもので、ネックが反る以外に、ナットの溝に入らずナットが割れてしまうというケースもありますので、張る場合はギターの構造に精通した楽器さんやリペア工房に相談してみると良いでしょう。
ワンポイントアドバイス
初心者であれば、ギターの購入後、エクストラライトゲージの弦にすぐ変えて練習するのもアリですね。
弦を変えるのは楽器屋さんでもできるので、相談してみましょう。
また、細い弦は切れやすいというデメリットもあります。
自分のピッキングの強さが強い方であればライトゲージに近いものを選んだ方が良いです。
音についてはエクストラライトゲージからライトゲージであれば、劇的に違うということはないので、この範囲で自分に合ったものを選ぶと良いと思います。
ミディアム以上はギターに負担がかかるので、通常で使用するにはあまりオススメではないです。
オススメのメーカー
Martin(マーティン)
マーティンはギターでは超有名ですが、弦のメーカーとしても超定番です。
太さや材質は前述した通りですので、Martinのラインナップでオススメのシリーズを見ていきましょう。
Superior Performance
通称「SP弦」というものです。
プレーン弦(アコギは1弦と2弦。巻き弦のように芯となる弦に巻かれていないもの)にブロンズメッキが施されています。
見た目もきれいであり、耐腐食性にも優れているので人気がある弦ですね。
ちなみにマーティンのシリーズの中ではスタンダードなものになります。
Marquis Silked
弦のボールエンドの部分がシルクでラッピングされています。
こんな加工をしているのはMartinの Marquis Silkedくらいです。
これによって何がいいかというと二つあります。
一つ目はラッピングされていることにより、ギターのブリッジを守ります。
ヴィンテージのギターはデリケートなので、ラッピングによって守れるのはうれしいですね。
二つ目は巻き弦のチューニングが安定します。
巻き弦は安定するまでチューニングが狂いやすいのですが、このラッピングによって安定するのです。
Lifespan 2.0
SP弦を特殊な液体に浸しトリートメント加工したものです。
これにより対腐食性に優れ、通常よりも寿命が長くなっています。
一般的なコーティング弦と比べるとコーティングが薄く、弾き心地は従来のものとあまり変わりません。
音も従来のものとほぼ一緒です。
目隠ししたらわからないレベルですね。
D’ADDARIO(ダダリオ)
弦のメーカーとして定番中の定番です。
また、ブロンズ弦をアコギに採用したのもダダリオが最初です。
ラインナップもかなり豊富なので、オススメの弦をピックアップして紹介していきます。
80/20 BRONZE
素材については前述したとおりです。
エクストラライトゲージであるEJ10、カスタムライトゲージであるEJ13、そしてライトゲージであるEJ11がブロンズ弦の定番です。
音はいかにもブロンズの弦という感じです。
スタンダードな音といってもいいでしょう。
Phosphor Bronze
こちらも素材とては前述した通りです。
エクストラライトゲージのEJ15、カスタムライトゲージのEJ26、ライトゲージのEJ16が定番です。
なかでも、EJ16はダダリオの弦では特に人気でこの弦を使用しているギタリストはとても多いです。
85/15 AMERICAN BRONZE
80/20ブロンズとフォスファーブロンズの中間に位置する材質です。
音はブロンズよりも明るく、フォスファーよりも落ち着いた感じです。
この弦はライトゲージであるEZ910でも他のカスタムライトゲージと同じくらいの太さなので、すこし細めに作られています。
この音が好きでリピートしている方も多いようですよ!
EXP Coatedシリーズ
ブロンズもしくはフォスファーにコーティングした弦のシリーズです。
従来のコーティング弦より50%薄いというのが特徴です。
弾き心地としてはMartinのLifespan 2.0に近いかもしれません。
音は中低音が良く出て、アタック感がある感じでしょうか。
XSシリーズ
コーティング弦のシリーズで、ダダリオでは最も耐久性が高く寿命が長いのが特徴です。
質感はElixirのナノウェブに近く、音も近いですが、こちらの方がキラキラ感が抑えられている感じです。
Elixir以外でコーティング弦を探している場合はこちらを試してみてはいかがでしょうか?
Elixir(エリクサー)
コーティング弦のパイオニア的なメーカーです。
コーティング弦といえばエリクサーと連想する人も多いのではないでしょうか。
コーティング弦は前述した通りのメリット(耐久性があって寿命が長い)ですが、こちらにも種類があるので、紹介していきます。
POLYWEB(ポリウェブ)
エリクサーの弦の中で一番耐久性があり長寿命です。
分厚いコーティングが湿気、手汗などから弦を守ります。
寿命を考えるならばポリウェブでしょう。
触り心地もツルツルしていて、指でスライドしたときのノイズ(フィンガーノイズ)を極限まで減らすことができます。
録音する際にはノイズが出ずらいので、音を鮮明に録ることができます。
コーティング弦というのは音がこもり気味の柔らかい音になるのですが、これもそれに当てはまります。
音が柔らかいということがデメリットかと思われますが、考え方を変えればメリットになります。
例えば、柔らかい音で音作りがしたい方には非常にやりやすくなりますし、指で弾く場合にも音が主張しすぎないのでバランスがよくなります。
目的にあった弦選びがポイントですね。
NANOWEB(ナノウェブ)
ポリウェブのこもり気味の音や、フィンガーノイズがでないことをマイナスに考えるギタリストが増え、それに応えるべくナノウェブが作られました。
コーティングが薄く作られており、弦の素材の持つ音の特徴を出すことができます。
また、フィンガーノイズが通常の弦と同じとまでは言えませんが、出せるようになります。
これによりギターを弾いているという、ライブ感がでます。
弾き心地や音はダダリオのXSシリーズが近いでしょうか。
音はこちらの方が若干キラキラしているように感じるかもしれません。
コーティング弦もメーカーによって違いがあるので、いろいろ試すと面白いですよ!
JohnPearse(ジョンピアース)
最後にオススメするメーカーはこのメーカーです。
筆者が現在愛用しているので紹介します。
演奏性がよく、バランスの良い音がなります。
お値段が他のメーカーより高めですが、この弦ではないと出ない音があるような感じで筆者はリピートしております(笑)
80/20 BRONZE 200L
まずはブロンズ弦のライトゲージです。
落ち着いた音がするため、ブルースやフォークに合います。
また、ギブソンのギター、特にヴィンテージのものと相性がいいです。
プロのミュージシャンだと秦基博さんが愛用していますよ。
PHOSPHOR BRONZE(600L)
続いてはフォスファーブロンズのライトゲージです。
音はブロンズよりも明るいけど、落ち着いた感じで、popsならこちらがオススメです。
また、フィンガースタイル(指弾き)がメインならば PHOSPHOR BRONZEが適しています。
筆者が愛用しているのはこちらの弦です。
音のバランスが良いので、非常に使いやすいですね!
ワンポイントアドバイス
この記事では定番のメーカーを紹介しました。
こうしてみるとダダリオは値段が安く、ラインナップが揃っているので、初心者のうちはダダリオでいろいろ試してみるといいかもしれません。
もちろん、違うメーカーの素材、ゲージを試すのもアリです!
いろいろ試すうちに自分の好きな素材や太さがわかってきますよ♪
最後に
今回は弦の選び方からオススメのメーカーについて紹介しました。
ここで紹介したメーカーはとてもメジャーで多くのギタリストが使用しています。
もちろん、他にもメーカーがありますので、この記事で紹介したことを基準にいろいろなメーカーを試してみてくださいね(^^♪
皆様の素敵なギターライフを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪
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