前回の記事でギターアンプの種類を紹介させていただきました。
その中でこれからのギター人生において必ず使うであろう真空管アンプ(チューブアンプ)にフォーカスを当てて解説していきます!
真空管アンプは割と身近な存在でありながら、使い方を間違うと故障につながってしまうデリケートなギターアンプです。
そんな真空管アンプを正しく知って、使い方や音作りの仕方をご紹介していきます!
真空管アンプのワット数
真空管アンプのW(ワット)数は小さくても大きな音が出ます。
というのも、同じ10Wのアンプだとしても、トランジスタアンプの10W比べたら遥かに大きな音がでるので、家庭用に検討している方は十分にご注意ください!
まず、ワット数は通常5W~200Wくらいまでありますが、ワット数が大きいと大音量を出すことができるようになります。
さらに、真空管アンプはボリュームを上げていくと歪んでくるという性質を持っています。
ワット数が低ければ低いほど、ボリュームを上げたときに歪むので覚えておきましょう!
クリーンサウンドで大きな音をキープしたい場合が30W以上を選ぶと良いです。
真空管アンプの使い方
真空管アンプはアンプヘッド、コンボアンプとも共通な部分があります。
それは電源のスイッチとスタンバイスイッチがあることです。
これは真空管というガラス管を保護するためにあります。
もともとはアンプ自体の音のミュートが目的だったようですが、電源スイッチとスタンバイスイッチの使い方を間違ってしまうと故障しかねません!
使い方の順番を追って説明していきますね!
それでは解説していきます。
・電源を入れるとき
①ギターからアンプへあらかじめギターケーブルを指しておきます。
電源を入れてからでも問題はないのですが、電源を入れる前に差し込んでおけば準備としてはまず間違いありません。
ボリュームを上げてからケーブルを差し込むのはスピーカーに悪影響です!
もし指し忘れに気づいたら、ボリュームをいったん下げてから差し込むようにしましょう!
②電源スイッチをONにします。
「POWER」と書かれていることが多いです。
電源を入れたら3分ほど待ちます。
③3分ほど経ったら、スタンバイスイッチをONにします。
④各イコライザーを調整してギターを弾く!
これでばっちりギターが弾けます!
演奏を終えるときはこの逆の手順で操作していきます。
ボリュームが上がったままギターケーブルを抜いたり、スタンバイのスイッチをオフにしないように気をつけましょう!
スタンバイスイッチをオフにしてから電源スイッチをオフにしますが、この時はすぐにオフにして大丈夫です。
ポイント:電源を入れるときは真空管が冷めているため、温めてあげましょう!
真空管アンプは車のエンジンと同じようにアイドリングが必要なんです。
なので、電源をいれてから3分ほど待ってからスタンバイをONにする必要があります。
ちなみにすぐにスタンバイスイッチをONにしても壊れるわけではありませんが、真空管の寿命を長くしたいという場合は必ずアイドリングしてあげましょう!
音作りのコツ
定番な真空管アンプであるMarshall JCM900をモデルに解説していきます。
大きく分けて、イコライザー、各チャンネルのリバーブ、各チャンネルのボリュームとゲインに分かれます。
まずはイコライザーとボリューム、ゲインからです。
TREBLE(とレブル)…音の高域の増減を調整する。
MIDDLE(ミドル)…音の中域の増減を調整する。
BASS(ベース)…音の低域の増減を調整する。
このような高、中、低域のイコライザーを3バンドイコライザーといいます。
Marshallはこれに「PRESEN(プレゼンス)」という最終的な広域を調整するツマミが付いている場合が多いです。
この「PRESENS」とは逆に「RESONANCE(レゾナンス)」という低域の最終的な調整ができるタイプもあり、これもMarshallのアンプで採用されているモデルがあります。
因みにMarshallでも、「JCM800」、「JCM900」、「1959 Super Lead」などのモデルはオーバードライブくらいの歪みが得意なアンプです。
メタルなどハイゲインに対応できるようなディストーションサウンドが欲しい場合は別途エフェクターを準備してあげましょう!
それではイコライザーやボリューム、ゲインの各ツマミの動かし方を説明していきます。
まずは、イコライザーを時計でいう12時方向に合わせます。
このときにPRESENCEは「0」で大丈夫です。
この状態からボリュームを12時くらいまで上げます。
最後はゲインを上げて歪みを自分の好みになるまで上げます。
ここでのポイントはボリュームをある程度先に上げておくことです。
その次にゲインを回して歪みを決めていきます。
歪みをつくってからボリュームを上げると、余計に歪みます。
これは、ボリュームが大きくなるにつれて歪みが強くなるからです。
ボリュームをある程度決め、歪みを作るようにし、音が大きい場合はボリュームを下げたり、ゲインを足すようにしましょう。
ボリュームと歪みが決まったらイコライザーを動かしていきます。
次に、12時方向になっているイコライザーを自分の好みの音に合わせて動かしていきます。
BASSは低域を調整しますが、上げすぎるともこもこした音になるので、低音が目立つくらいか、抑え気味で大丈夫です。
MIDDLE中域を調整しますが、Marshallの中域はレンジが広いためギターのサウンドに大きく影響します!
音抜けを良くしたい場合はTREBLEを上げる前にMIDDLEを上げていくと解消する場合が多いですので、覚えておきましょう。
TREBLEは高域を上げていくことではっきりとしたサウンドになっていきますが、同時に歪みが目立つようになるので、歪みを抑え気味にしたい場合は上げすぎないようにします。
バンドで合わせてみて、もうちょっと音抜けを良くしたいという場合はPRESENCEを回していきましょう。
MIDDLEで調整したうえでツマミを回していきます。
回しすぎると歪みが大きくなったり、耳が痛いサウンドになる可能性があるので注意しましょう。
イコライザーのまとめ
①BASS、MIDDLE、TRBLEは12時くらいまで回す。
②ボリュームは上げめする(3時から4時くらい)。
③ゲインを上げていって歪みの量を決める。
④ゲインを上げていきながら、ボリュームを下げて微調整する。
⑤BASSは好みによって微調整。
⑥MIDDLEで音の方向性を決める。
⑦TREBLEの効き具合をみて上げ下げ。
⑧最終的な音の抜け具合を確認してPRESENSEを上げる。
いかがでしょう?
文字で書くと難しいですね(;^_^A
大事なことは自分の理想の音が頭にあり、それに近づけるためにそれぞれのツマミをいじることです。
その近道が①~⑧の手順です。
もう一つ、私の経験上の話ですが、TREBLEは下げ気味(8時~9時)くらいでもいいと思います。
というのも、先ほども説明した通り、MarshallのMIDDLEはかなり効きやすいので、高域を十分にカバーできます。
JCM2000に限りあまり高域を上げすぎるとすぐに耳が痛い音になりやすいので、注意しましょう!
最後にREVERB(リバーブ)をお好みで追加していきます。
ちなみリバーブというのは、反響音のことで、お風呂場で声が反響しているような効果のことです。
Marshallの各種ボタン
ツマミの他にいろいろなボタンが付いていることがあります。
これらについても触れていきます。
DEEP
低音を強調するボタンです。
通常BASSで事足りますが、5、6弦の音にパンチが欲しいときに押します。
具体的には、ブリッジミュートが多い場合や、パワーコード主体のサウンドの場合は重宝します。
TONE
中域をカットするボタンです。
これにより、いわゆる「ドンシャリ」な音になり、低音と高音が目立つようになります。
メタルなサウンドを作りたい場合に使う場合が多いです。
LEAD
押すことによりゲインの強さが変わります。
LEAD1がオーバードライブであるのに対し、LEAD2はディストーションサウンドになります。
Marshallは近年、ハイゲイン傾向にあるので、LEADの他に「OD」といったボタンで歪みの種類を分けていることが多いです。
CLEAN/CRUNCH
押すことでクリーンに歪み成分を加えることができます。
これにより、クリーンに張りがでてはっきりとした音になります。
ポップスやロックの場合はクランチをオンにした方がメリハリのあるクリーンになってオススメです。
他にもありますが、よく目にするのは上記だと思います。
使う機会の多いMarshallなので、確認しておくとより自分の音に近づけることができますよ!
最も重要な音作りに必要なもの
ここではMarshallのアンプをモデルに音作りのコツを解説してきました。
しかし、音作りに必要な重要なものがあります。
それは、「音のイメージ」です。
自分の好きなアーティストや曲に好みの音があるはずです。
それをイメージできれば、アンプが変わってもある程度の音の方向性を決めることができます。
音の好みがわかれば、よりその音に近づけるためのアンプやギターを選んでいくことで音のイメージを具現化しやすくなります。
アンプの音を知ると同時に、自分が好きな音を見つけて、どんどん音作りに挑戦してみてください!
最後に
今回は真空管アンプの使い方を解説してみました!
貸しスタジオやライブハウスで使う機会が多いので、ぜひ覚えて弾いてみてくださいね!
皆様の素敵なギターライフを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪
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