アーチトップギターという言葉は聞いたことがあるでしょうか?
実はとても有名なギターの種類なのですが、このような言葉の定義って意外と難しいものです。
今回はギターの中でもアーチトップギターとそれに分類されるギターを紹介、解説していきます!
少しマニアックですが、ギタリスト同士の会話には結構出てくるものなので、ぜひ私と一緒に確認していきましょう!
アーチトップギターとは?
アーチトップギターとはギターのボディが湾曲しているギターのことを指します。
エレキギターでいうと、レスポールやES-335、L-5などGibson(ギブソン)に有名なモデルが多数存在します。
では、逆にアーチトップの反対は何なのか?
というと、これはフラットトップと呼ばれるギターになります。
世の中のほとんどのアコースティックギターや、ストラトキャスターやテレキャスターといったエレキギターはこれに該当します。
これらのボディはフラット(平ら)なボディをしていますよね。
アーチトップに話を戻しますが、これらはバイオリンのような形をモデルに、その多くは「Fホール」または「Sホール」と呼ばれる穴がボディに空いており、中は空洞です。
Gibsonにこれらのギターが多い理由は創設者であるオーヴィル・ヘンリー・ギブソン氏がアーチトップギターを世に生み出したからでしょう。
ピックギターとは?
ピックギターとは簡単にいうとアコースティックギターの一種です。
アコースティックギターの中でもアーチトップでFホールやSホールが空いているものをピックギターと分類すると思っていただいて大丈夫です。
さて、このピックギターというものは現在はなかなか見ることができません。
これはフラットトップのアコースティックギターの方が音が大きく、当時のMartin(マーチン)に軍配があがったからだと考えられます。
Gibsonはこのピックギターにピックアップを取り付け、エレキギター化することで、アーチトップギターに日の目を浴びせることに成功しました。
フルアコ(フルアコースティックギター)とは?
フルアコ(フルアコースティックギター)とはエレキギターの一種です。
先ほど説明したピックギターにピックアップが付いたものがこれに当たります。
GibsonのL-5が代表的なモデルです。
もうお解りかもしれませんが、アーチトップギターでピックアップがないものがピックギター(アコギ)で、アーチトップでピックアップがあるものがフルアコ(エレキ)という違いです。
このようなエレキギターで、アコギの様に空洞のボディのをもつものをホロウボディと呼びます。
逆に空洞がないものはソリッドボディと呼ばれます。
ちなみにソリッドとは板を意味しています。
このフルアコですが主にジャズはカントリーなどに好んで使われます。
Gibson以外にもGretsch(グレッチ)も有名ですね!
セミアコ(セミアコースティックギター)とは?
セミアコ(セミアコースティックギター)はエレキギターの一種です。
GibsonのES-335が代表的なモデルです。
フルアコと何がちがうのか?
それは、フルアコがボディの中が全て空洞であるのに対し、セミアコは一部が空洞という違いです。
どういうことかというと、ES-335を例に説明しますと、ピックアップの乗っている部分は板があるのですが、その両脇(Fホールが空いているところ)は空洞になっています。
また、ボディはフルアコよりも薄く作られていることがほとんどです。
こちらも空洞があるということで、ホロウボディと呼ばれるエレキギターになります。
セミアコもフルアコ同様にジャズやカントリーで好んで使われますが、最近ではロックバンドでも多く使われていることが多いです!
代表的なギタリストはELLE GARDEN/Nothing’s Carved In Stoneの生形真一(うぶかた しんいち)氏などで、ロックなサウンドをセミアコで鳴らしています。
ホロウボディのサウンドや特徴は?
フルアコやセミアコはエレキギターの一種で、空洞が空いていることからホロウボディと呼ばれていることはこれまで解説した通りです。
これらのギターはソリッドギターと比べてどうなのかというところが気になりますよね。
空洞の響きがサウンドに影響する
エレキギターなのでアンプから音を出すことには間違いないですが、ホロウボディは空洞の部分で音が反響し、その音もピックアップで拾います。
なので、単順にアンプを通さない生の音が良いホロウボディのギターはアンプを通しても良い音が鳴ると思っていただいて間違いありません。
その音は太く甘い音がし、ソリッドギターよりも倍音が強めに出ます。
加えて、低音が出やすいのもホロウボディの特徴です。
空洞のサウンドホールの中で共鳴が起きやすく、これによるハウリングが起きやすいです。
このためか、セッティングが難しいと思う方が多いです。
しかし、良い音で鳴らせるポイントを見つければ最高のサウンドを奏でてくれます。
ハイゲインは少し苦手
ディストーションなどのハイゲインの歪みはハウリングが起きやすくなってしまいます。
ホロウボディの空洞で共鳴がしてしまい、ハウリングが起きやすくなるため、音を止めたときにハウリングが邪魔をするなんてことも起きてしまいます。
特にフルアコにハイゲインは止めた方が良いです。
昔はセミアコもハイゲインで弾くということはご法度みたいなことはありました。
しかし昨今はプロのミュージシャンでもセミアコをハイゲインで弾いていることは珍しくありません。
通常のエレキギターに比べて軽い
中が空洞なので、ソリッドギターに比べると軽いです。
(ソリッドでもの軽いギターはたくさんあるので、必ずこの限りではありません)
例えばテレキャスターのシンラインはホロウボディのテレキャスターですが、持ち比べてみるとかなり実感できる軽さです。
フルアコやセミアコは形状から大きめなボディになりがちですが、この空洞おかげで見た目よりも重くないです!
番外編:レスポールはソリッドなのにアーチトップなワケ
レスポールはホロウボディではない(賛否両論あるかもしれませんが、ここでは触れません)のにアーチトップなんですが、これにもちゃんとワケがあるようです。
アーチトップにすることでボディから伝わる音の振動にムラがなくなるとのことです。
レスポールってボディがトップ材とバック材に分かれていますよね。
バック材であるマホガニーに振動が上手く伝わって甘く柔らかい音になるみたいです。
ちゃんと考えられているんですね!
最後に
今回は豆知識としてアーチトップギターについて解説してみました。
ロックバンドでも使われることが多くなったアーチトップギター(特にセミアコ)ですが、非常に見た目もカッコよくいろんなジャンルに使用ができるためとても万能なギターだと思います。
バンドじゃなくても、弾き語りなんかしてもとってもオシャレですね!
ぜひ、一度アーチトップギターに触れてみてはいかがでしょうか?
きっとその魅力を肌で感じることができますよ!
(こんな記事を書いていると私が欲しくなってしまいます(笑))
皆様の素敵なギターライフを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪
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